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中学生当時から現在まで、個人サイト変遷の思い出エッセイ

中学生当時から現在まで、個人サイト変遷の思い出エッセイ

個人サイトWebオンリー めぐる市、もうすぐ開催ですね!
本記事ではイベント開催を記念し、私と個人サイトの約20年に及ぶ思い出話を綴っています。最初に個人サイトを作ったのは2005年、今は亡きジオシティーズでのことでした。
当時を知る方には懐かしんでもらえたら、そして当時を知らない方には、こんな風景があったんだなあと笑ってもらえたら嬉しいです。


たぶん2001年〜:個人サイトという概念との出会い

厳密にいつだったかは覚えていないのですが、インターネットで遊ぶようになったのは、小学校高学年くらいからだったでしょうか。ダイヤルアップ接続のピーガー音を今でも微かに覚えています。
記憶にある限りいちばん古い個人サイト……もといホームページの思い出は、児童文学作家である村山早紀先生のホームページです。長らく更新は止まっているものの、まだアクセスできます…!
当時小学生だった私にとって、大人!(しかも大好きな本の作家!)の日記を読めることのなんて甘美だったことか。当時は(今も)地元にありもしなかった、スターバックスやカフェへの憧れを抱いたのもここからだったような。
児童文学作家さんのホームページということもあり、小学生〜中学生のアクセスが多かったようで、子供向けの専用テキスト掲示板が開放されていました。顔も知らない誰かとの掲示板やりとりを覚えたのはここから。ネチケット(この言葉は今も通じるのか?)も子供向けに啓蒙されていて大変ありがたかった…。

「世の中にはホームページビルダーというソフトがあるらしい」「素材サイトというものがあり、規約を守ればそちらのイラスト素材を自分のホームページに使っても良いらしい」というのをぼんやり認識したのも多分この頃ですね。
それでも当時はまだ、自分の個人サイトを作るに至ってはいませんでした。箱を作りたい気持ちはあっても、入れたい中身がまだ何もなかったので。

懐かしみ話:ホームページとゲームたち

さっきから「ホームページ」「ホームページ」言ってるのは、当時はまだ「個人サイト」という言葉があまり一般的でなかったように記憶しているからです。
いつぐらいから個人サイトという言葉が一般的になったのかしら……pixivやTwitterが普及してからかなあ。何せ当時は、まだmixiもなく、携帯電話もほぼなく、サイトの大半が「個人」の手によるものだったので。

それとちょっと関連した懐かし話。2002年にゲームボーイアドバンス向けに発売された『さくらももこのウキウキカーニバル』というゲームがあります。公式ページがまだ生きているぞ!!
マイナーゲームながら名作で、今でもちょこちょこ動画が投稿されています。以下はジャック・オ・蘭たんさんによるゲーム冒頭部分の実況です。雰囲気は多分これだけでよくわかる…笑。

ジャンル名はなんと「インターネットごっこ」。主人公は小さなパソコンを持ち歩き、ゲーム内のインターネットにアクセスしては、掲示板やホームページを駆使して住人たちのお悩みを解決するのです。あと自分のなんちゃってホームページもたしか作れたはず。
楽しすぎて当時は狂ったようにやってました。グラフィックもね〜可愛いんですよ……。子供でも当たり前にインターネットで遊べるようになりつつあった、そういう時代でした。
インターネットを題材にしたGBAゲームだと、ロックマンエグゼも2001年発売で同時期ですね。ロックマンは通らなかったんだよなあ…

2005年〜2011年:ホームページビルダー&ジオシティーズ時代

話を戻して、転機が訪れたのは2005年。いや正確には2004年というべきか……。
中学二年生のわたしは、当時発売されたゲーム「ペーパーマリオRPG」にどハマりし(熱量がよく分かる2024年発売リマスター版の感想記事はこちら)(なおペパマリも2004年当時のホームページが残存しています)、攻略サイトの掲示板に入り浸っては、台詞が九割の拙い二次創作小説を書きまくっていました。そこはいわゆる匿名掲示板とは異なり、大半のひとが固定のハンドルネームで、ファンアートのイラストや小説を投稿していました。そしてそこにはちらほらと、自分のホームページを持っている人がいたのです。二次創作サイト、という概念に出会った瞬間でした。

私も作ってみてえ。そんで小説を載せてえ。あとTOP絵とか描くんだ。
アクセスカウンターを置いて、キリ番リクエストを受け付けて、Web拍手も置いて、お絵かき掲示板も置くんだ…!!!!

かくして2005年のお正月、私はお年玉を握りしめて隣の市にある電器店まで連れて行ってもらい、Windows向けソフト「ホームページビルダー」を購入したのでした。
なお自分のPCはまだ持ってなかったので父のPCを使い倒していました。父が仕事を終えて帰宅するまではPC使い放題だったし……

ホームページの開設先はYahoo!ジオシティーズでした。
2019年にジオシティーズがサービス終了を迎え、無数のホームページが泡と消えたことを覚えている方もいらっしゃると思います。私が作ったホームページも当然ながらインターネットの藻屑……
という訳でもなく、今でも断片的にインターネットアーカイブが残っています。

ででん。

インターネットアーカイブのキャプチャ
※2005年当時のHNが「シャイン」でした(ペパマリRPGに登場する便利アイテムの名前)

(保存の関係で表示はちょっと崩れてるけど)懐かしすぎて死んじゃう。
tableで一生懸命にレイアウト組んでたっけなあ……
当時ホームページを持っていた方は、メモ帳などでHTMLやCSSを手打ちしていた方も多かったと思うのですが、私はホームページビルダー頼りだったこともあり、長らく「CSS?なにそれ?」状態でした。「背景画像を一枚固定で表示する」「スクロールバーの色を変える」だけがかろうじて知ってたCSSじゃないかな。

それでも小説ごとにページのレイアウトを変えたり、星空をテーマにしてサイト全体を黒背景中心にしたり、サイトそのものを擬人化したり(!)、心行くまで遊びまくっておりました。裏ページもまあ作ったし、同盟バナーも貼ってたし、相互サイトさんとブログ経由で色んなバトン交換したり、楽しかったねえ…笑。

インターネットアーカイブのキャプチャ
※個人サイト擬人化で遊んでいたときの様子

私の周囲でブログが流行ったのは2006年頃で、それまではテキスト掲示板、お絵かき掲示板、絵チャットが主な交流場所でした。あと盛り上がってたのはFLASHとMIDIかな。
何をきっかけに知ったのだったか忘れてしまったのですが、MIDIサイトは遠来未来さんやONE's(With R)さんに通い詰めていました。個人サイト上にMIDIでBGMを鳴らすのが流行ってたんですよね。小説ページにお気に入りのMIDI再生ボタンを置いていたのも懐かしい思い出です。

この二次創作サイトは2011年3月まで運営しています。6年間。つまりまあ、中学三年生の暮れ〜大学二年生の終わりまでです。私の青春でした。笑。
個人サイトは閉鎖とともに消えてしまうものも多かったのですが、それが毎回めちゃくちゃ悲しかったので、更新を終了した後も意地で跡地を残し続けました。
今にして思えば、ホームページやテキストサイトという個人サイトの時代から、ブログの絶頂期を経て、Twiiterを筆頭としたSNS時代に移り変わってゆく、めちゃくちゃ濃い6年間でもあったんですね。mixiもYouTubeもニコニコ動画もpixivもiPhoneも皆この時代に誕生したんだよな……

たぶん2008年〜2015年:前身の一次創作サイト&FC2時代

二次創作サイトと並行して、たしか高校生の終わり頃、一次創作サイトを立ち上げました。現在の呼吸書房サイトの前身となります。覚えてる方いらっしゃるかなあ…?
私が文学フリマに出店を始めたのは2012年なので、初期の頃はこちらの個人サイトが交流の名刺がわりでした。

インターネットアーカイブのキャプチャ
※前サイトのTOPページ

こちらも制作はホームページビルダーです。ひたすらサイトをフレーム分割して、今でいうスプリットレイアウトみたいことを試したり、色々遊んでいたような朧げな記憶。
こちらは更新が不定期だったこともあり、インターネットアーカイブにもほとんど残っていません。
最終的にはかなりシンプルな構成に落ち着きました。現在のサークル名「呼吸書房」はこちらの旧サイト名から派生したものです。

レンタルサーバーはFC2でした。ブログはたしか忍者ブログだったかな。
どちらも今となってはかなりの老舗ですね。

2015年〜2023年:素朴なHTMLサイト&ネットオウル→Netlify時代

ようやく2015年まで辿り着きました。まだ10年前(白目)!
この頃からサイト名もサークル名も共通で「呼吸書房」を名乗り始めました。短編集『永遠の不在をめぐる』を刊行した頃ですね。

現在のサイトとは異なり、当時の呼吸書房サイトはかなり素朴な作りでした。HTML+CSS+ちょっとだけJS+レンタルブログ。以上!
2015年の開設後、ほぼレイアウトを変えることなく2023年まで使い続けたため、ウェブアーカイブがかなり明確に残っています。見覚えがある方もいらっしゃるのでは。

インターネットアーカイブのキャプチャ
※リニューアル前の「呼吸書房」サイトTOPページ

Wayback Machineのアーカイブリンクもせっかくなので貼っておきます。
本のページっぽい分割レイアウトがやりたかった&スライダーでページめくり風にしたかったんだな〜〜というのが今見てもよく分かります。

2015年はHTML5が登場してすぐの頃でした(HTML4とかHTML5とか何??って方は聞き流してください笑)。
私もまたちょうど大学を卒業してWeb関連企業で働きはじめた頃で、HTMLを学ぶ機会も兼ね、初めてコードを書くところから作ったのがこちらのサイトです。これまで作ってきたのは全部ホームページビルダー製だったのでろくにコードを書いてこなかったわけですね…! divタグの存在もこのときまで知りませんでした。
なんでWordPressを使わなかったのかはあまり覚えていません。2015年にはかなり一般的だったはずですが、HTML一年生には難しかったのか?

レンタルサーバーは当初ネットオウルを利用していました。たしかロリポップよりもネットオウルの方が安かったんだったかな?
独自ドメイン kokyushobo.com を取ったのもこのときですね。働きはじめて自由にできるお金が増えたこともあり、あったらかっこいいし、取るか〜と。自分なりの冒険でした。
ネットオウルを利用したのはほんの数年で、2019年のジオシティーズ終了を機に、Netlifyによるホスティングに変更しています。現在も継続中。FTPソフト的なやつでファイルをアップロードする古き素朴な個人サイトから、GitHubにリポジトリ作成してファイル変更をコミットしたら自動でNetlifyにデプロイされる(呪文みたいだな)新時代の幕開け…。

ただ、大きな変更はそれくらいで、サイトそのものの頻繁な改装や更新はしませんでした。これまでの個人サイト運営でレイアウト面の遊びを既にやり尽くしていたことと、SNS全盛の時代となり個人サイトというものの役割がかなり薄くなっていたので。
文学フリマをきっかけに知り合った方とも、基本的にはTwitterで交流していました。

とはいえ、それでも、私は個人サイトを持ち続けました。
今にして思えば、素朴な作りのHTMLサイトだったからこそ、ほぼほったらかしでも8年間維持できたんですよね。WordPressを利用していたらセキュリティアップデートとかで定期的なメンテナンスが必須ですから。
「小説家になろう」や「カクヨム」などの小説投稿サイトが勃興してきた時期でもあるのですが、そちらへ軸足を移すことも結局ありませんでした。

2023年〜:現在の呼吸書房サイトへ。Eleventy.js+Netlify時代

風向きが変わったのは2022年。Twitterが買収された時期です。
Twitterの先行きが一気に不透明になったことで、友人たちのアカウントがかなり分散しました。Twitterさえ見てれば友人の近況を終える、という状況から、追いきれないのが当たり前、という前提に変わりました。
サイト改装したいな〜と長らくぼんやり思っていたところに、これは明らかな追い風でした。

SNSや外部投稿サイトは、どうしても第三者の仕様変更に振り回されることになりますが、個人サイトであれば大半を自分で決めることができます。
もちろん、大多数の目に届く仕組みはありません。ネットの片隅に浮かぶ小さな庭に過ぎない。それでも自分の庭です。レンタルサーバーがサービス終了することがあっても、同じドメインを持ち続ければ、サーバーを移して生き続けられる。

作るか〜〜!!!!
ということで2023年に入ってから一気にリニューアルし、現在に至ります。
HTMLの知識もずいぶん身についたので、前サイトから一変、現在の呼吸書房サイトは「Eleventy.js(静的サイトジェネレーター)+マークダウンとJSONファイル+GitHub+Netlifyホスティング」という技術構成です。このブログも手作り。
作りが複雑になったので、さすがにもう8年もほったらかしにはできません笑。定期的に更新・メンテナンスを挟みながら、現在まで運用しています。
現サイト技術構成の詳しい話については、また別の記事で。

おわりに:個人サイトという庭いじり

以上、20年分の個人サイトの思い出話でした。ここまで長らくお読みいただきありがとうございました!
個人サイトを持っている人・かつて持っていた人、まだ持ったことのない人、どなたにも楽しんでいただけたら良いなと願っています。

中高生でも手作りホームページを持っていた時代にルーツを持つ者として、現在のインターネットにはいつも隔世の感を覚えます。
Webがとても便利になり、様々なことができるようになった一方で、素朴な個人サイトというものはどんどん数を減らしてゆきました。まあ、ブログやSNSや外部投稿サイトで事足りる時代に、わざわざ個人サイトを作ろうだなんて、酔狂な趣味であるのは間違いありません。そもそも最近はWebサイトのコードさえAIが生成してくれる時代ですしね。

でも、面倒なことも、楽しいですよ。

私は多分これからも個人サイトを持ち続けるでしょう。
これまでの20年が一瞬で過ぎたことを思えば、次の20年もあっという間でしょうから。
20年という月日は、レンタルーサーバーやらの外部サービスの方が先に終わってゆく長さです。今の呼吸書房サイトが利用している仕組みも、きっと20年はもたないでしょう。そのときはそのときで、また時代に沿った仕組みに合わせて、引っ越しを繰り返してゆくまでのこと。

個人サイト作りは庭いじりにすこし似ています。
ほったらかしているとどんどん荒廃していく(そりゃ雑草こそ生えませんが、計画なく乱雑に積み重ねたコードは雑草のように厄介ですし、セキュリティの面でも手入れは必要)けれど、自ら手がけた結果が目に見えて返ってくるところと、私有地でありながら公共の場に対しても開かれていて、通りすがった誰かを楽しませられるところが。

とりあえず生きている間はコツコツと、庭いじりを楽しむように、これからも個人サイトを更新していきたいと思います:)
改めて、個人サイトWebオンリー「めぐる市」、開催おめでとうございます。
皆さんの個人サイトにも、良き遊びの訪れがありますように!

2026.05.30
2026年5月の活動報告