呼吸書房

書籍表紙装画:佐野裕一さん

夜が明けると、村に人間は一人もいなかった。少年は、昨日まで人間だった蛾や蝙蝠や蛙の群れを引き連れて、森の奥へ帰っていった。彼らを近くの水辺に放し、昨日まで人間だった様々な種は、すべて母の根元に蒔いた。やがて、その一帯は花が咲き乱れ、蜜に誘われた鳥や獣の歌声で、いつまでも賑わうようになったという。

呼吸書房へようこそ。当サイトでは、私、風野湊による作品を公開しています。
路上で出会った本棚のように、どうぞゆっくりとお楽しみください。

書斎と書店、二つの意味を持つ「書房」の名のとおり、
一部の作品は書籍化し、販売を行っています。
出店イベントや委託販売先でもご購入頂けます。

update:
2025.12.25 イベント情報更新、寄稿小説「クリスマスを奏でた後に」追加
event:
2026.1.18 文学フリマ京都10|京都市勧業館「みやこめっせ」 1F 第二展示場 B-21 呼吸書房→Webカタログ
blog:
2026.01.31 2026年1月の活動報告(2/7更新)

book-list

書籍情報

これまでに執筆・制作した書籍の一覧です。
横スクロールで次の書籍を表示できます。表紙を選択すると書籍の詳細情報が表示されます。

父が交通事故に巻き込まれて即死してしまった、と病院から呼び出しの電話が掛かってきたのが15分前のことだ。病室には、ベッドが二つ並べられていた。片方のベッドは、私にとっても馴染み深い、真っ白なシーツと清潔な布団、患者に優しいリクライニング仕様のもの。もう片方は、ベッドの枠組みが剥き出しになっており、どちらかと言えば唯の台座に近い。そのどちらにも、父の身体が横たえられているのを、私はしげしげと眺めた。

profile

自己紹介

ペンネーム:風野 湊(かざの みなと)。1990年4月29日生。旅先で猫を愛でつつ読書に耽れたら幸福。
バックパックにかならず詰めるのは、宮沢賢治詩集、長田弘紀行文、P.ロスファス『風の名前』。
執筆のお供はポメラDM20からMacBook Airに変わりました。書きつづけています。
→もっと詳しく(aboutページへ)

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