呼吸書房

書籍表紙装画:佐野裕一さん

夜が明けると、村に人間は一人もいなかった。少年は、昨日まで人間だった蛾や蝙蝠や蛙の群れを引き連れて、森の奥へ帰っていった。彼らを近くの水辺に放し、昨日まで人間だった様々な種は、すべて母の根元に蒔いた。やがて、その一帯は花が咲き乱れ、蜜に誘われた鳥や獣の歌声で、いつまでも賑わうようになったという。

呼吸書房へようこそ。当サイトでは、私、風野湊による作品を公開しています。
路上で出会った本棚のように、どうぞゆっくりとお楽しみください。

書斎と書店、二つの意味を持つ「書房」の名のとおり、
一部の作品は書籍化し、販売を行っています。
出店イベントや委託販売先でもご購入頂けます。

update:
2025.5.18 寄稿小説『波とランプシェード』追加
event:
2025.11.23 文学フリマ東京41出店予定
blog:
2025.06.30 2025年6月の活動報告

book-list

書籍情報

これまでに執筆・制作した書籍の一覧です。
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猫という生きものは、その毛先一本に至るまで、自らが自らの主である。誰の命令も聞かないし、誰の意思も通用しない。たとえ幾万の兵と家臣を従える広大な帝国の王であっても、一匹の猫を足元に侍らせることはできない。人の側が跪いて猫のご機嫌を取るか、殺して楽器の皮にでもするか、それ以外に、猫に言うことを聞かせる手段はない。

profile

自己紹介

ペンネーム:風野 湊(かざの みなと)。1990年4月29日生。旅先で猫を愛でつつ読書に耽れたら幸福。
バックパックにかならず詰めるのは、宮沢賢治詩集、長田弘紀行文、P.ロスファス『風の名前』。
執筆のお供はポメラDM20からMacBook Airに変わりました。書きつづけています。
→もっと詳しく(aboutページへ)

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