【#novelmber企画短編集 / 文庫判 / オンデマンドフルカラー表紙 / 88P】
ごらんよ。入れ替わり立ち替わり、新たな物語がやってくるのを。
人間は扉が好きだ。扉の向こうに物語を夢見る。
輝かしい夏への扉、魔法の国に通じる衣装箪笥の扉、扉の先にあるかもしれない、此処とは異なるどこかの世界。
そんなものは存在しないと分かっていても、夢を見ずにはいられない——
いいや、違う、そんなものは存在しないと分かっているから、安心して物語を託せるのだ。
◇ ◆ ◇
2022年11月〜12月に掛けてTwitterへ投稿した「#novelmber」掌編の再録短編集です。
二つのお題を組みあわせ、その偶然性を楽しみながら書き綴った掌編18本。
幻想と魔法にすこしSFも乗せて、さまざまな文体でお届けします。
公開当時に読んでくれた方にも、未読の方にも、どうぞ楽しんでいただけますように。
※再録にあたって、全作品に加筆修正を加えています
投稿当時(加筆修正前)の掌編ツイート群はこちらからどうぞ。
- ありとあらゆる扉の先に
- 衛星たち
- パレードが続く限り
- CQ・CQ
- それは猫の夢
- あのとき王子様が
- 無限は永遠に微笑む
- 二十二世紀のファンタジー
- 死よりも遥かに柔く
- 天国と呼ぶには遠い
- わたしたちの滅びた後に
- あなたが踏まれずに済むように
- 再生
- 秘密の他には何も
- ひとの形をした鏡
- アフマートヴァに
- 十一月の春の庭
- Hello, world and word.
「ここには作りものしかない。ほんとうの太陽を、ほんとうの風を、恋しいとは思わないの」
「ここにいれば、ほんとうの太陽に会えない者も、太陽に会えるのさ」
Special Thanks
#novelmber ハッシュタグ制作・お題提供:にけさん @nike_nkx
表紙装画:Photo by Evie S. on Unsplash
デザインアドバイザー:山川夜高さん https://libsy.net/
【個人連載雑誌 / 第6号 / A5 / オンデマンドフルカラー表紙 / 62ページ / 小部数・再版予定なし】
『walking postcard』は、呼吸書房が2018年11月から発行している小さな雑誌です。
書き手はひとまず私ひとり。
一冊の本にまとまる前の、小説や旅行記、短編や掌編、散文、詩、独り言などなどを、
旅先から送る便りのように、気の向くままに、自由に、お届けできたらと思っています。
既刊『すべての樹木は光』の30年後、ある町角での後日談。
大人になったチジュが、ニイジェと再会し、二人でひとときの旅行に出かけるお話です。
物語は既に幕を下ろした後。登場人物はチジュ、ニイジェ、本編未登場の新キャラクターのみ。
本編を読んでくださったあなたへ、ささやかな再会のひとときを楽しんでいただけますように。
※文字数はおよそ30,000字ほどです。
チジュはようやく、この二人旅がもうすぐ終わることを自覚した。気づけば言葉がこぼれおちていた。
「ニイ」
「なんだい」
「どうしてあのとき、いなくなってしまったの」
【幻想掌編集 / 文庫判 / オンデマンドフルカラー表紙 / 54ページ】
忘れがたい風景たちへ。
彼らは唯の夢だから、本当は何も語らない。
彼らは唯の夢であり、物語でも何でもない。
彼らは唯の夢だけど——
◇ ◆ ◇
本書は、著者の夢日記を元に創作された幻想掌編集です。
Twitterへ投稿した140字の夢日記から、当時見た夢を思い出し、ときには改変し、修飾して、忘れてしまった箇所は空想で繋ぎあわせながら、六つの掌編を書き起こしました。
いずれも厳密には夢そのものではなく、物語としては筋書きが曖昧で、詩と呼ぶには少々長すぎる。
おそらく最も近い言葉は「風景」なのだろうと思います。
※収録作品はすべて書き下ろしです。
何故そんなことを気にしたのか、夢の中のわたしは知らない。
分からない。気づきもしない。口元を見せて笑いあう、お客たちの誰に聞いても答えは返ってこないだろう。
これは唯の夢、現実から遠く離れ、——すべてが自由であるはずの国。
Special Thanks
表紙装画:ほがり仰夜さん https://rimmsrims.webnode.jp/
【長編小説 / 四六判 / オンデマンドフルカラー表紙 / 250ページ】
そのようにして、魔法は失われた。
透明な街、うつくしい街、ちょうど日付が変わる頃のこと。
一人の優しい娘が、唐突に、身に覚えもなく、一本の樹木に変えられてしまう。
真夜中の熱帯雨林に立ち尽くし、かつて人間だったその樹木は夢を見る。
そして思い出す。
子供のころ、すぐ間近に、樹木へ変身できる人間が居たことを。
◇ ◆ ◇
架空の熱帯雨林を舞台とした樹木変身譚です。
樹木に変わる/変えられる人々を描く幻想(ファンタジー)小説でもあります。
遠い異国の生活描写に没入したい方、迫り来る幻想に慄きたい方、答えのない問いかけに惹かれる方へ。
第一章 雨の歌う町
1 いつか帰る場所
2 相槌と挨拶
第二章 あなたは孤独ではない
3 鳥市場
4 雲と煙の兄弟
5 スコールと木々のダンス
第三章 言葉のない世界
6 木喰い蔓
7 カルス・メリステム
8 草木交信
9 彼らは人間じゃない
10 極相林
11 変身
第四章 楽園の善良な樹木
12 現実
13 魔法の杖
14 愛しいあなたのために
15 剪定鋏
16 楽園の優しき人々
樹木たちは語る
夜が明けると、村に人間は一人もいなかった。
少年は、昨日まで人間だった蛾や蝙蝠や蛙の群れを引き連れて、森の奥へ帰っていった。
彼らを近くの水辺に放し、昨日まで人間だった様々な種は、すべて母の根元に蒔いた。
やがて、その一帯は花が咲き乱れ、蜜に誘われた鳥や獣の歌声で、いつまでも賑わうようになったという。
- Special Thanks
- 表紙装画:佐野裕一さん https://twitter.com/sunamerius
- ジャケットデザイン:山川夜高さん https://libsy.net/
【幻想短編集Ⅱ / 文庫版 / オンデマンドフルカラー表紙 / 114ページ】
あなたの不在を愛する。
きみはどこにもいない。
この世どころかあの世にも、あらゆる過去にも未来にも、きみは永遠に存在しない。
◇ ◆ ◇
「不在」をテーマにした、ふたつめの幻想短編集です。
何かを失い、あるいは投げ捨て、もしくは奪われたひとびとの、
永遠に埋まらない空席を眺めつづけるような短編と掌編を7編収録。
各編の舞台は、遠い未来、現代東京、天国と地獄、そして暗闇をめぐります。
登場人物たちに関連性はありません。
そもそも登場人物さえ不在かもしれません。
おかしな話だと思わないか。
存在しないきみの不在を、ぼくはなぜだか知っているのだ。
その瞳を、声を、微笑を
まるで眼前に在るかのように
うつくしく克明に夢みながら
その不在を信じるがゆえに
ぼくはきみの実在を信じる。
【旅行記 / 新書版 / オンデマンドフルカラーカバー / 76ページ(内カラー10ページ)】
崩壊する空想に、どうか歓声を
本書はガイドブックではありません。
おそらく紀行文でもありません。
では小説か詩集かといえば、それも違うように思います。
「お話」、どうやらこれが一番近い。
これは、モロッコを旅したときのお話です。
◇ ◆ ◇
サハラ砂漠に憧れて、ひとりモロッコを訪ねたのが2014年春のこと。
その旅の記憶をもとに、八編のお話を書き下ろしました。
はたしてこれは旅行記なのか何なのか、
エッセイと詩と小説の間をふらふらと彷徨いつつ、
言葉の中でもう一度、モロッコを巡ってゆきます。
また、巻頭と本文中には、旅先で撮影したカラー写真10枚を収録。
巻末にはオマケとして、実際の旅行先で掛かった費用などをひっそりまとめています。
町の話Ⅰ
・古都メクネス、あなたを信じます
・ラララシャウエン、ブルーブルー
・ハシラビード砂漠の畔
砂漠の話
・無音にとどろく人間の声
町の話Ⅱ
・ワルザザートと境を越えて
・マラケシュが呼ぶ雨の音
・カサブランカに会えない
静寂の話
(サハラ砂漠にて)
巻末付記 旅支度のために
【長編小説 / 新書版 / オンデマンドフルカラー表紙 / 178ページ】
どうしても死にたくない。
守り神たる竜の在る世界。
最後に捧げられたのは、村でもっとも嫌われた娘。
野火のように激しく、荒々しく、彼女は村を憎んだ。
◇ ◆ ◇
風景幻想特化のハイファンタジー小説です。
起承転結よりも、世界の在り様やひとびとの仕草、感情、日常の手仕事を愛する方に、楽しんでいただけるように思います。
ファンタジーと銘打っているものの、明確な魔法は登場しません。
名もなき竜の宮Ⅰ
竜の花嫁
一章 嫁入りの日
二章 金の瞳、遠雷の声
三章 雨と眠りに安らぐもの
四章 かつて殺されたすべての私たちへ
五章 野火迫る
六章 竜の花嫁
名もなき竜の宮Ⅱ
なぜ、自分が殺されねばならないのか。
問うた娘に竜は答えた。
「いいや私はもう人間を喰わない。おまえは村に帰っていいのだ」
- Special Thanks
- 表紙装画:そぞらさん https://twitter.com/r_sozora
【旅行記 / B6版 / オンデマンドフルカラーカバー / 128ページ(内カラー18ページ)】
旅人よ立ち止まれ。耳を澄ますために。
この本はガイドブックではありません。
もしかすると旅行記でもないのかもしれません。詩集と呼ぶにも何かが足りない。
2011年、半年間の一人旅の合間に書き継いできた言葉たちに、
新たに書きおろしたエッセイと言葉、旅先で撮影した写真を加え、一冊の本にまとめました。
巻頭にはカラー写真を四枚、各国ごとの章扉にもカラー写真を一枚ずつ掲載。
新装版発行にあたって、旅支度のおまけページを巻末に追加しました。
書籍通販:BOOTH(外部サイトへ)
- 空っぽな跳躍
- 調律グローバリゼーション
- メコンリバー・ヤマハリバー
- コラム:デタムストリート
- 氾濫に溺れる
- コラム:哀しき世界一周航空券
- ブルーソフィア・スーツ
- コラム:屋台信仰
- サントリーニの本当の名前
- 通学途中のアコーディオン弾き
- コラム:内在する後ろめたさに対する皮肉と自己弁護
- 雪の砂漠
- 実在よりも美しい造花の為に
- ナショナル・ミュージアム・ライブラリー
- コラム:ファンタジー・ライブラリー・コンプレックス
- 君は手ぶらで門を出るつもりか
- フランツ氏への簡潔な報告
- どうして偽物なファンタジー
- コラム:血管がめぐる家
- 北ウェールズの赤い海
- コラム:黄昏を見失う
- コラム:親愛なるハワース
- アウロラ
- 夏休みとエピローグ
※作品は滞在国順に並んでいます。
シンガポール→ベトナム→インド→トルコ→ギリシア→エジプト→イタリア→オーストリア→ポーランド→チェコ→ドイツ→イギリス→カナダ→ハワイ
【幻想短編集 / 文庫版 / オンデマンドフルカラー表紙 / 134ページ】
※本書籍は販売を終了しました。今後の増刷予定はありませんが、電子書籍化を検討中です
それでも、君は飛べるんだ。本当は唯の紙切れだとしても。
紙飛行機の墜落率は100%だ。
ヒュッと宙返りして落ちる。いきなり直角に逆立ちする。
風に舞い上がったとしても、最後は大地に引き戻される。
◇ ◆ ◇
サイト上で公開してきた作品四編に加え、新たに書き下ろした短編・掌編を五編収録した幻想短編集です。
作品ジャンルはSF、寓話童話、ファンタジー、現代ものと様々ですが、
「幻想」を一本の軸に、様々な視点から切り取った物語をお届けできればと思います。
紙飛行機の中にはお月様が眠ってる
3,474kmを織り込んで僕の掌から飛んで行け